「東海道刈谷駅」
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雀の鉄砲を見つけると、すぐに草笛タイムの始まり。
ぴーぴー吹きましょう。

今日の電車の移動は内田百閒先生の「東海道刈谷駅」を読む。
「漱石先生臨終記」は
若者が常に見上げていた燦然と輝く星が、不意に消えたような、美しい世界があって。
ひとつ違う世界を遠目で見ているような。。。

「東海道刈谷駅」の宮城道雄さんの死は淡々とした文体がよけい、
身を切られるような痛々しさがあって。
というか、こんな亡くなり方だったのか。。。
ショックだ。

「死神め。。。」


短編集なのでそのまま宮城道雄さんに因んで
盲目の箏のお師匠様の話「柳儉校の小閑」を読む。
その中で三木さんという女性が「残月」という曲を稽古しているのですが、
最後の一節を習い残したまま亡くなるのです。(たぶん)

検校の抑制した行動と情感に相反するように、ままならなくなる箏の表現。
三木さんの事、好きなのか?
全体に明確な言葉はなく、
もどかしい、純粋な気持ちだけが伝わってきてドキドキだ。
ああ、百閒先生の短編ってなんとも余韻がたまらない。
正直ちょっと怖くて、生々しくて。
幽霊が見える人なのかしら?


「今はつてだにおぼろ夜の月日ばかりはめぐり来て」
検校は聞けなかった三木さんの最後の一節。

先日の現実のお稽古場で、
わたしは、Y崎さんの三味線の「残月」を最後まで聞く事が出来ました。
とっても素敵だった。
by murderpollen | 2010-04-07 17:19
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